7年ぶりの天覧競馬。ウイニングランを終え、天皇、皇后両陛下の御前で馬を止めた。
下馬するとヘルメットを脱ぎ、ひざまずいて最敬礼。「特別な日。勝てば何かしようと思っていた」。
東日本大震災直後の11年ドバイWCでは、ヴィクトワールピサの馬上で喪章に手を添えた。
馬上に戻ったあと、両手でつくったハートマークを「日本のみなさんが大好き。ボクの日本に対する気持ちです」と説明。
日本人の心を持つイタリアンはこの日も涙で目を潤ませた。
ダービーを制してから国内外のG19戦を含む12連敗。鞍上は「馬に"お願いだから勝たせて"って話をしたんだ。
ボクが勝つために待ってくれていたのかな」と笑った。
挫折を味わうなかで繰り返した試行錯誤。藤原英師は2年5カ月の月日をかみしめる。
「長いというよりも感謝やね」。鞍上とのコンタクトも密に取ってきた。勝利はその結晶だ。
「話していたポジション通り。パーフェクトだし、さすが。ゴール前は声が出た。これまで何かが狂っていたのが、きょう全てのパーツがそろってフィットした。天覧競馬を勝てて幸せです」と頬を緩ませる。
今後はジャパンCから昨年2着だった有馬記念を予定。デムーロは11月19日で今回の短期免許が切れる。 生産者・社台ファームの吉田照哉代表は「JCはルメールで行く」と発表。 再び差し込んだ光筋を背に、盾を制したダービー馬は輝き続ける。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/horse/headlines/20121029-00000018-dal-horse.html